| 広島市は、この地球上において核兵器による悲劇が繰り返されることのないよう、核兵器の廃絶と世界恒久平和を願いその実現に向けて力を注ぐとともに、戦後一貫して「平和都市」の建設に努力してきた。それは、広島平和記念都市建設法の「恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴」としての「平和都市」である。平和とは、単に戦争がない状態にとどまらず、安全で良好な環境のもとに人類が共存し、一人ひとりが尊厳を保って人間らしく生活している状態をいう。環境問題や資源問題、地域紛争をはじめとした人類の諸課題を、地球規模の協調と連帯によって解決していこうとする今日の国際社会において、広島市は、歴史に学びつつ、これまでの平和への取り組みをもとに人類の平和と繁栄のためにできる限りの貢献をしていかなければならない。
また、これからは、高度経済成長時代の量的な拡大、拡張を基調とした発想から脱却し、ゆとりや安らぎ、落ち着きなどが感じられる精神的に豊かで質の高い生活を営むことができる都市づくりを進めることが必要である。
さらに、情報通信ネットワークの発達や環境問題への取り組み、国境を越えた地域間競争の激化などにより地球全体が一つの圏域となっていく中で、市民や企業には、地球的視野を持ち時代を先取りした積極的な行動や取り組みが求められている。
これまで、広島市は、豊かで活力ある都市をめざし様々な都市基盤の整備や都市機能の集積を図ってきたが、今後とも中四国地方の中枢都市として圏域全体の発展に貢献していくため、高次都市機能の集積や経済力の向上などにより拠点性を一層高めていくことが必要である。
このような広島市のめざすべき都市づくりの方向を総合し、水と緑と市民が輝き世界の人々に生きる勇気と希望をもたらす活力ある都市をつくるため、広島市は、都市像に「国際平和文化都市」を掲げる。
この都市像の具現化のため、次のように都市づくりの理念を定める。
| ○ 平和都市の理念 |
| |
広島市は、被爆という悲劇の歴史を乗り越えた平和を象徴し人間を賛歌する都市として、被爆の体験を原点に核兵器の廃絶を訴え続けるとともに、生命の尊さと一人ひとりの人間の尊厳が保たれ良好な環境のもとに生活の安寧が確保されるよう、世界の国々や地域、人々との交流や協力を通じて世界恒久平和の実現に貢献する都市をめざす。 |
| ○ 文化都市の理念 |
|
広島市は、恵まれた水と緑の自然環境を生かし、安全、快適で美しい都市景観を有する質の高い都市環境を創造していくとともに、市民が健やかでゆとりと生きがいを持って生き生きと暮らし、まちが賑わい人々が集う、豊かな文化と人間性をはぐくむ都市をめざす。 |
| ○ 国際都市の理念 |
|
広島市は、豊かな感性や創造性を持つ人材と技術や文化の集積を生かし、経済、文化、スポーツ、学術など様々な分野で活発な国際交流や国際協力、国際活動を推進するとともに、中四国地方の中枢都市としてこれを支える都市機能や都市基盤を備えた世界に開かれた活力ある都市をめざす。
広島市は、これらの都市づくりの理念を融合させながら「国際平和文化都市」を具現していく。 |
|